博物館の収蔵庫には多数の資料が保管されているが、展示に活用される標本は一部であり、多くは自由に閲覧できない状況にあります。このため、資料のデジタル画像化とアーカイブは博物館資料の活用範囲を広げる重要なツールとなっています。最近では、デジタル機器の高度化と簡便化によって、既製品の安価なデジカメにより高精細のデジタル画像を取得できるようになりました。植物標本などの平面的なものでは得られる情報が多いのですが、動物などの立体的な構造を有する標本では、あらゆる角度から観察できる 3D デジタル画像が資料の全容を理解するうえで効果的です。しかし、3D 画像の取得には、いまだ一定の技術が要求されると同時に、スマホや安価で高精細な撮影が可能な機器が市場に出回るようになり、撮影した3D 画像を無料で閲覧・活用できる共有ポータルサイトも登場しています。また、3D 画像を取得することで、3D プリンターから出力して、展示用のハンズオン標本などを容易に制作できます。こうした技術の進展に合わせて、3D 画像を用いて博物館資料の発信や活用に関する方法について、基礎から実習を通じて学ぶ講座を博物館学芸員や教育従事者を対象として開催します。できる限り、汎用的で安価な機器を用いて、博物館資料の3D 画像の撮影と活用ができる人材を増やし、博物館業界全体で、こうした3D 画像を数多く共有できることを目指します。
なお、この講習会は「文化庁 令和 6 年度文化芸術振興費補助金(Innovate MUSEUM事業)」の助成を受けて開催し、博物館法改正(令和 4 年度)において新たな重点課題として位置づけられた「デジタルアーカイブの作成と公開」および「学芸員等の人材の養成・研修」に対応するものです。
研修日時
2024 年 12 月 19 日(水) 10 時 00 分~16 時 30 分 (予定)
場所
高知みらい科学館 オーテピア(4 階集会室)
〒780-0842 高知県高知市追手筋 2-1-1 オーテピア
TEL088-823-7767 FAX088-824-8224
主催共催
主催 NPO 法人西日本自然史系博物館ネットワーク・高知みらい科学館(予定)
対象と定員
学芸員および教育従事者 15 名 (多数の場合は博物館学芸員を優先)
内容
3D 撮影に関する基礎説明
スマートフォンおよび携帯式3D スキャナーによる3D 標本撮影
3D 撮影データの編集と WEB へのアップロード(SketchFab)
3D データの展示活用に関する意見交換
講師
一社)路上博物館 森 健人
兵庫県立人と自然の博物館 三橋弘宗
参加費/持ちもの
無料 / ノートパソコンおよびスマートフォン
■問い合わせ先
12/15までに、兵庫県立人と自然の博物館 三橋弘宗(hiromune@hitohaku.jp)迄ご連絡ください。2日間以上返事がない場合は SPAM メールの場合がありますので、再度お問い合わせください。
*終了後には館外にて懇親会を予定
*内容については兵庫県立人と自然の博物館 三橋弘宗(hiromune@hitohaku.jp)迄
NSMT-M32070_Fallow Deer_ダマジカ_Taxidermy by Kent MORI @rojohaku on Sketchfab
図 3次元デジタル化した画像は、WEB 上で、あらゆる角度から閲覧できる。