1.環瀬戸内ネットワーク事業 2000年度、2001年度の2カ年にわたって、「環瀬戸内地域(中国・四国地方)自然史系博物館ネットワーク推進協議会」(会長:那須孝悌大阪市立自然史博物館館長)が組織され、文部科学省の委嘱もとに、「現代的課題としての自然史 —絶滅危惧生物ネットワーク」、「身近な自然に学ぶ −里山総合学習支援ネットワーク」、「ネットワーク事業推進のための基盤整備」の3つを課題に掲げ、各館園を地域の中核として事業を展開すると同時に、各館園にまたがる基盤的な事業を実施してきた。
この結果、各種自然観察会の実施、学校関係者と各館園との間の共同活動など地域のネットワーク、博物館友の会と博物館が連携した活動の実施、インターネットを通じて提供したプログラムなどを通じて、のべ50、000人を超える市民および児童に貴重な体験をさせることが出来、同時に参加館園にとっても貴重な経験・組織作りをすることができた。また、事業に関連したパンフレット、学習プログラム、視聴覚素材、巡回展示用標本を作製し、さらに、博物館をこえて共有できる「横断検索システム」やインターネット地理情報システム「生き物マップ」などを整備することができるなど、多大な成果を得ることができた。
※加盟館 大阪市立自然史博物館、笠岡市立カブトガニ博物館、倉敷市立自然史博物館、高知県立牧野植物園、島根県立三瓶自然館、徳島県立博物館、兵庫県立人と自然の博物館の7館園。他に多数の関連館園・組織の協力を得た。
2.ネットワークの継承 上記事業自体は委嘱をうけた2年間で終了したが、2002年3月の最後の協議会で、この事業で得られた貴重な経験と成果をそのままにしておくのではなく、これらを使ってさらに地域の博物館事業を活発にし、地域の人々に役立てるべく、ネットワークを組み、お互いに協力しあって活動をおこなおうという合意がなされた。
この合意を受け、2002年11月12日、有志7館園が、大阪に集まった。その中で、個人参加もふくむ、ゆるやかな連絡組織として、共同のイベントや情報交換を続けて行こうという話合いがなされ、より広範に環瀬戸内地域自然史系博物館連絡協議会(仮称)への参加を呼びかけることとした。
また、社会的認知、文部科学省の受け皿、あるいは環境省、国土建設省などの補助金なども視野に入れた組織づくりを目指し、NPO法人化を検討することとなった。
3.環瀬戸内地域自然史系博物館連絡協議会(=特定非営利活動法人西日本自然史系博物館ネットワーク発起人会)の開催 上記呼びかけに基づき、2003年3月5日に、高知県立牧野植物園において協議会が開催され、12館園の職員、合計20名が出席した(他に3館園からも参加の意向)。
・各参加者から、自然史系博物館ネットワークへの希望・期待が表明された。
・仮事務局から協議会を特定非営利活動法人(NPO法人)とすることについて提起。設立趣旨、定款等の草案が示され、法人の性格や組織、事業について説明・質疑がなされた。
・その結果、本会合をもってNPO法人の発起人会とすることが一致して了承され、名称は「特定非営利活動法人西日本自然史系博物館ネットワーク」とし、関係館園に呼びかけ、本年9月10日に大阪市立自然史博物館において法人の設立総会を開催することが合意された。発起人代表は山西(大阪自然史)、定款等の文章の修正は仮事務局に一任。